BASIC CHINO PANT [ Nigel Cabourn ]
2021.02.05 PANTS
pants / Nigel Cabourn / Japan made / 19000円(税抜)
size / w32 , w34 , w36 , w38
color / Beige
※モデル162cm体重55kg普通体型 / 着用サイズ w32 (未洗い)
英国のビンテージミリタリー収集家でありデザイナーでもある[ナイジェル・ケーボン]自身のブランド[ Nigel Cabourn ]より[ BASIC CHINO PANT ]。
世の中で定番と呼ばれるチノパンほど思いが込められて製品化されているナイジェルケーボンの本当の思い考えがあります。
とにかく凄いです。一度は穿いて見たくなるはずですよ。
以下、このチノパンのリリース説明ですが、長文ですので、お時間ある時にどうぞ。
チノパンはとても有名で身近なパンツだけに、たくさんの製品が世の中には溢れています。ベージュ色をしてコットン製のものは全てチノパンと呼んでいるような傾向すらあります。
その中でも、ウエポンと呼ぶ特殊なカテゴリーがあります。武器の意味ではなく、ウエストポイント陸軍士官学校を指します。ウエストポイントとは地名。学校の創立以前は要塞が立っていた土地であり、周りには学校以外に殆ど何もありません。
一口に兵士と言っても二等兵から士官までの階級があります。同校は極めて厳しい英才教育によって米軍の指揮官たる士官を育成する事を目的としています。厳格な規範のもと、革靴は顔が映るほど磨く程磨く事を要求され、チノパンは高品質な製品にセンタープレスが入れられます。カジュアルで安価な普通のチノパンとは一線を画していたわけです。
一般的には単糸より双糸の方が丈夫で高価であり、その双糸の中でも一定の番手を使って織り上げたチノクロスのことを「ウエポン」と呼ぶようになった由来です。
本製品もまた双糸を使用あり、材料は繊維長の長い超長綿です。超長綿を使用する事により、繊維の繋ぎ目が少なく、すなわち毛羽の少ない高密度の糸に撚糸する事ができます。その糸をさらに高密度に打ち込んで製織します。
この段階で既にかなりの高密度のファブリックですが、コールドマーセ加工をかける事によりさらにがっしりとした風合いに仕上がります。その密度の高さは異常と言って良いくらいで、実際に普通の縫製工場ではまともに縫う事ができません。普通のミシンで普通のスピードで縫うとファブリックがあまりに高密度であるために、ミシン針と生地の摩擦によって熱が生じ、煙を噴くほどです。
この、他に類を見ない特殊なファブリックを縫製するためには、特殊な技術でゆっくりと縫うしかありません。
ステッチ部分にぽつぽつと若干の毛羽立ちが見られますが、これがこのファブリックの尋常ではないほどの高密度を物語っています。
綿のチノパンはとてもシンプルな製品です。
見栄えの良い生地を生地屋さんから購入して、さっと縫い上げてしまうのが恐らくは一般的でしょう。しかし最も大事なのはその後です。ご購入いただき、履き込んで頂いた後にどうなるか。
本物のビンテージは、すでに数十年の年月を耐えてきたので、そこから先の着用年数には限りがあります。安価な製品もまた生地の耐性に欠けるため当然ですが耐用年数は自ずと浅くなっています。
ビンテージ同様の風合いであると同時に、いかに長く、ガンガン履き込んで本当に長く愛用できるかどうか。
それが鍵です。
本製品は元々頑丈な超長綿の糸を使用しているためとても丈夫です。織り上げた段階では高品質すぎてファブリックの表面はつやつやと光っています。コールドマーセ加工により繊維が締まるので光沢が抑えられ、さらに後加工をかける事で余分な光沢を飛ばしています。
つまり、見た目とタッチは長年の経年変化を受けて程良く枯れたビンテージそのものの風合いでありながら、恐ろしい程の剛性を内に秘めている訳です。
羊の皮をかぶった狼。
これがナイジェル・ケーボンの定番パンツのポテンシャルです。